総合審査の質疑報告より 【5】共創の視点からの高齢者の支援及び市庁舎低層部の活用 続いて、共創の視点とからめて、高齢者と情報格差の問題について伺います。 長期に亘る新型コロナウィルスの感染拡大によって、一人暮らしの高齢者、経済的な困窮状態にある子ども・若者などの間で、社会的孤立の度合いが深まっています。特に、70歳代以上の一人暮らしの高齢者は、自宅にひきこもりがちになる傾向があります。 こうした高齢者はスマホなどデジタル機器が苦手な方も多く、そのことによってより一層の孤立を招いている実態があります。 そうした中、本市の共創の取組として、多様なメンバーが知恵を出し合いながら解決策を検討し実践する「リビングラボ」という活動が市内各地で活発に展開されています。 このリビングラボの取組の中には、高齢者の孤立を防ぐという意味で、大きな効果を上げている「スマホセンター」や「スマホ教室」という活動があります。 この活動は、地域ケアプラザや団地内のコミュニティ施設などで、若者が高齢者に継続的にスマホの使い方を教えることで、高齢者の情報格差を解消し、地域のつながりを生み出しているものです。そこでまず、 (1)高齢者の情報格差を解決するリビングラボの活動に対する政策局長の評価を伺います。
【答弁】 《 リビングラボの取組は地域の課題を企業、NPO、大学など、多様な主体がそれぞれの持ち味を生かして、連携して解決する点で有効であると考えております。 中でも「スマホセンター」や「スマホ教室」は、情報格差を解消するだけではなく、参加する学生の学びの場ともなるとともに、高齢者の孤立防止にもつながるなど、効果的な取組であると評価しています。》
スマホ教室は、非常に効果的であり、今後、より広げていけたらと考えています。 例えば、私の地元の港南区では、港南台バーズ内に横浜市と連携協定を締結している無印良品の大型店舗があります。 無印良品は、この協定をきっかけに、駅から少し遠い野庭団地で出張販売を行うなど地域課題に即した共創の取組を展開しています。 このように高齢者の生活を支援するために、地域の大型商業施設を拠点として、スマホ教室をはじめ、マイナンバーカードの普及、健康教室の実施などを展開できれば、高齢者の孤立を防ぐとともに、民間の力できめ細やかなサービスが提供できるだけでなく、集客効果が図られ、お店の利益にもつながると考えます。そこで、 (2)高齢者の生活課題を解決する拠点として、地域の大型商業施設との公民連携の可能性について政策局長の見解をお伺いします。
【答弁】 《本市では、市内に大型商業施設等を展開する企業と、包括連携協定を通じまして、フードロスの削減や脱プラの取組などを行ってきた実績がございます。 高齢者の生活課題を解決する観点からも、大型商業施設でのスマホ教室や健康教室の実施など、まずは包括連携協定を締結している企業と積極的に検討してまいります。》
スマホ教室やスマホセンターをはじめとして、市内各地のリビングラボの活動を全市的な公民連携の取組として盛り上げていくためには、それぞれの活動を結びつけ、市民生活の課題解決に向けて、総合的な力を発揮させていく場が必要であると考えています。 私は、市民に開かれた空間として設計されている、市庁舎低層部もそのための場の一つとして、もっと活用すべきではないかと考えます。そこで、 (3)今後、どのように市庁舎低層部を公民連携の場として活用していこうと考えているのか市長に伺います。
【答弁】 《 市庁舎の低層部は、まちの賑わいと活力を創出する様々な取組に活用すべき空間であるというふうに考えております。 市民の皆様、企業、大学等が集い、リビングラボの公民連携の取組を幅広く実践する場のほか、様々な公民連携の場に資するような取組を進めていきたいというふうに考えております。》
市庁舎低層部を公民連携の場として活用していくためには、市内各地のリビングラボなどと連携しながら、具体的な取組を進めていくべきだと考えます。そこで (4)「市庁舎低層部において公民連携で具体的な取組を始めるべき」と考えますが伊地知副市長の見解をお伺いします。
【答弁】 《市庁舎低層部を活用した新たな取組といたしまして、10月下旬にアトリウムを中心に様々な共創の取組を発信する「よこはま共創博覧会」を開催いたします。 「これからの共創」をテーマにフォーラムやワークショップ、マルシェなど多彩なプログラムを展開することで、公民連携に意欲のある様々な主体とのより緊密な関係構築や庁内の共創マインドの醸成につなげてまいります。》