総合審査の質疑報告より (4) 地域ケアプラザにおけるデジタル技術の活用 次に、地域ケアプラザにおけるデジタル技術の活用について伺います。 少子高齢社会の到来を見据え、地域ケアプラザは、全ての地域住民の福祉保健の相談・活動の拠点として、平成3年から日常生活圏域に1館の整備を進め、令和3年度末では142館となりました。 現在、素案の議論を進めている中期計画の3年目にあたる令和6年度に、最後の146館目が開館する予定となっています。 一方、横浜市の高齢化率をみると、令和3年度には25%となり、約10年前と比べても約5ポイント増加し、介護や福祉の相談や支援が必要な住民の方も、増加していることが考えられます。そこで、まず初めに ア 地域ケアプラザの相談件数の近年の動向について、健康福祉局長に伺います。
【答弁】 《 1施設当たりの年間相談件数は、平成27年度は、1,501件でしたが、令和3年度には、1,978件と、27年度の1.3倍に増加しています。 また、相談の時間帯を見ると、夕方5時以降の夜間の相談件数は横ばいですが、日中の相談件数は約35%増加しています。》
今後、進展する超高齢社会においては、地域ケアプラザに対する期待はますます大きくなっていきますが、現在すでに地域ケアプラザの役割は幅広く、職員の皆さんは大変多忙であると伺っています。 将来に渡り、持続可能な形で、その期待に応えていくため、市として何に取り組むべきか、整備計画完了が見えてきた今から議論を進めておくことが重要です。そこで、 イ 地域ケアプラザの機能強化に向けて、どのようなことに取り組もうとしているのか健康福祉局長に伺います。
【答弁】 《令和4年10月、来月から相談や施設予約の少ない夜間の利用方法を順次変更し、これまで夜間時間帯に勤務していた職員を相談件数の多い昼間の勤務に振り向け、体制を強化します。 また、今後は一人暮らしの高齢者が多い地域であるなど、圏域ごとの課題に合わせた事業展開や、職員の専門性やコーディネート力の強化など、進展する超高齢社会に対応する機能強化を図っていきます。》
取組のキーワードは、やはりDXではないかと考えています。 現場の課題解決としてのデジタル技術の活用はもとより、将来に向けたイノベーションのきっかけとしても、デジタルをぜひ有効に活用してほしいと考えます。そこで、 ウ 地域ケアプラザにおいて、デジタル技術を積極的に活用すべきと考えますが、市長の見解を伺います。
【答弁】 《令和2年度に、すべての地域ケアプラザにWi−Fi環境を整備し、地域向けの介護予防講座やエリアの介護事業者とのオンライン会議に活用しています。 今後、さらに取組を加速させていくために、マイクやカメラなどの周辺機器も整備し、相談環境のオンライン化も進めていきます。 あわせて職員のICTスキル向上やセキュリティの研修にも取り組みまして、デジタル技術の積極的な活用を進めます。》
(5) 各区局が取り組むDXの効果を高めるためにデジタル統括本部がどのように支援するのか これまで、教育や地域支援等に関するDXの取組について質問をしてきました。 横浜市が行う事業は幅広く、かつ専門的であるため、DXの推進にあたっても、事業の内容や課題を深く理解した各区局が、現場の課題感のもと、自ら検討する必要があると考えます。 一方で、DXの推進には、本市全体のDXの方針に沿った取組を行う必要があることや、デジタル技術の専門的な知見が必要となることから、デジタル統括本部の支援が重要になると思います。 デジタル統括本部がしっかりと横串を刺して、必要性を見極めながら、最大効果を発揮していく必要があるのではないかと考えます。そこで、 (5)各区局が取り組むDXの効果を高めるため、デジタル統括本部がどのように支援していくのか市長に伺います。
【答弁】 《横浜DX戦略で描いたビジョンを庁内でしっかりと共有し、区局に対して、デジタル統括本部が専門的かつ技術的な伴走支援や予算面での後押し、また、課題解決に向けた企業等とのマッチングなどを行っております。 特に地域のDXについては、地域課題の解決に向けた担い手支援や、福祉等の市民サービスの拠点である区役所のデジタル化などに統括本部が統括機能を発揮して取組の効果を最大化してまいります。》
各区局が新たな取組にチャレンジしていくためには、推進体制の充実はもちろんのこと、DX推進のための予算をしっかりと確保することが大変重要であると考えています。 各区局への支援をより一層充実させ、DXの取組を加速させることを要望して、次の質問に移ります。